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データで見る札幌の気象:No.9

虹と雷

虹の話

太陽を背にして霧吹きをすると、眼前に小さな虹がかかるのは誰しも経験することだが、虹は雨上がりの空に浮かんでいる水滴がプリズムの作用をしてできるもの。その成因を理論的に明らかにしたのはデカルトやニュートンで、今から約300年以上前のことである。

虹をよく見ると、鮮明や主虹の外側にぼんやりとしたもう一つの虹が見えることが多い。主虹は水滴の中で太陽光が1回反射してできたもので、これを一次の虹といっている。外側のぼんやりとした虹を二次の虹といい、これは水滴の中で光が2回反射してできたものだ。このほか、一次虹の下と二次虹の上にできる「余り虹」。池や湖の水面で太陽光が反射してできる「反射虹」などがある。

図1:虹のいろいろ

図1:虹のいろいろ

「虹は七色」と思いがちだが、七色全部そろった虹はめったに現れない。普通は赤・黄が目立ち、藍(あい)、紫は淡いが、空中に浮かぶ水滴のサイズにより、どの色が目立つかは様々である。ただし、色の配列は図1のように、一次の虹では上が赤、下が紫だが、二次の虹では上が紫、下が赤と逆になる。

虹は昔から人に親しまれてきたせいか、これにちなんだ天気俚諺(てんきりげん=天気のことわざ)が多い。最もポピュラーなのが、「朝虹は雨」「夕虹は晴れ」である。これらは日本のような中緯度の国では、天気は西から変わるという気象の理にもかなう。

表1は、札幌における虹の月別・時刻別の出現状況を見たもの。虹は大気活動とあまり関係ないので、最近この観測はほとんど行われていない。したがって表の資料は昭和40年前後のものである。

表1:札幌の虹の統計(1961年〜1970年)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
4時〜6時

6時〜8時

8時〜10時

10時〜12時
12時〜14時

14時〜16時

13

16時〜18時

12

18時〜20時

19

10

44

表によると、札幌では上記10年間に44回、年約4回虹が架かり、9月が最も多い。また「朝虹」より「夕虹」が多いことがわかる。虹が出た後12時間以内の天気を調べてみると、「朝虹」はその後6割くらい雨になっているが、「夕虹」は晴れと雨が半々で、はっきりした関係はないようだ。

最近あまり虹を見かけないのは、子供のときのように戸外で遊ばないせいもあるが、次の章(12月)で述べる都市の温暖化と関係があるのかも知れない。

虹は美しいと同時に神秘性があるので、昔からいろいろな伝説が残っている。岩手県では「虹の根元に黄金が埋まっている」という民話があるそうだが、中国には「北の虹は君主を換える」「北の虹に刀兵起こる」など、天下が乱れ、飢饉(ききん)が起こる前兆とされてきた。

北虹(真昼の虹)のように、原理的に起こりがたい現象に対し、神秘性と恐怖感を抱くのはやむを得ないとしても、虹はしょせん「光と水滴が織り成す見かけの幻像」にすぎない。

(作成)文・資料とも柏原辰吉氏,平成10年

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