46億年の歴史を持つ地球は幾度も寒暖の歴史を繰り返してきた。これら地質時代の変動は確かにその規模も大きく、気候変動というにふさわしいが、有史以降にも小変動が繰り返されており、決して一定ではない。気候の平年値を30年の平均値と定義し、西暦年号の10年ごとに再計算するのはそのためだ。
図1(No.11)の札幌の冬季気温が戦後一段と高いレベルに移っているのは、気候変動の一例で、現在起こっている暖冬傾向も気候変動と考えてよさそうだ。
気候変動の原因には、太陽活動の変化、地軸の傾き、火山爆発などいろいろなものが考えられているが、これといって決定的なものはなく、これらが複雑に重なり合った結果とされている。
最近問題になっている、大気中の二酸化炭素の増加もその一つで、図1(No.11)に見られた札幌の冬季気温の上昇も、おそらくこの影響を受けていると思われるが、これらは大気循環という仲介者を経て現れるので、その証明はなかなか難しい。しかし、来世紀の気候を考える上でもっとも重要なものである。
札幌のような大きな街では、人間の使う熱が年々増えており、またビルやアスファルトで舗装した道が日中に吸収した太陽熱を夜間徐々に放出するので、夜間の気温が高くなる。このため、一日を平均した日平均気温も都心は郊外より高くなる傾向がある。

図2:札幌でのヒートアイランド時の気温分布例
図2はこの一例だが、「春は風に乗って」(No.3)で述べたように、札幌では南東と北西の風が卓越するので、高温域が都心を中心とした円にならず、多少いびつな形をしている。このような現象をヒート・アイランド現象といっている(円形のものもある)。
中央区にある気象台の気温観測も当然この影響を受けており、図1(No.11)の冬季気温の上昇にはこの分も含まれている。この影響がどのくらいかを知るため、都市化があまり進んでいない寿都の気温と比較すると、都市化による冬季気温の上昇は、100年間に約1.8℃くらいと推定される。その大部分は戦後起こっており、都市化が気候に与える影響は意外に大きいことがわかる。
(作成)文・資料とも柏原辰吉氏,平成10年
Copyright(C) 1999-2005 Sapporo Information Network Co.,Ltd. All Rights Reserved