札幌の天気情報サイト「さっぽろお天気ネット」トップページ

データで見る札幌の気象:No.11

昔の冬、今の冬

寒さと雪の履歴書

札幌で気象観測が始まったのは明治9年(1876)のこと。創始者は札幌農学校の教師ウィリアム・ホイラー、場所は現在の二条市場付近にあった教師館である。その後この観測は開拓史に引き継がれ、途中2回ほど場所は変わっているが現在の札幌管区気象台に至っている。

図1の折れ線グラフは明治10年以降現在まで120年間の札幌の冬季気温(12月・1月・2月の3ヶ月平均)と、積雪の変化(明治23年以降)を見たものである。

上段のグラフを見ると、明治から昭和20年頃までとその後では年々の変化模様に明らかに差があるので、説明の都合上、明治から大正〜昭和初期を第1期、昭和中期から後期を第2期、最近10年間を第3期と仮称する。

図1:札幌の冬の季温と最深積雪の経年変化

図1:札幌の冬の季温と最深積雪の経年変化

図中、破線で描いた横線は、それぞれの期間の平均気温であるが、期を追うごとに段階的に上昇し、第1期から第2期にかけ1.3℃、第2期から第3期にかけ更に2.0℃上昇している。第1期と第3期の差は実に3.3℃、これは現在の札幌−盛岡の地域差に匹敵するから大変な変化である。

以上の変化は最低気温を調べるともっと顕著で、第1期の−10.1℃に対し、現在(第3期)は−5.0℃だから、5.0℃以上暖かくなっている勘定だ。酒が凍り、朝起きてみるとカラスが凍死していたという明治の話はやはり本当のようである。

次に下段の積雪変化を見ると、ここにも特徴的な三つの期間がある。一つは明治から大正初めの比較的変化の少ない時期、その後昭和30年頃までの変化の大きい時期、そして現在の安定期に続く。

変動期の中でもひときわ目につくピークが昭和14年の164cm、これが現在も続いている札幌の積雪深の最高記録である。また、変動期をはさむ明治と現在の安定期を比べると、明治のほうが現在より20cmくらい雪は少ないことがわかる。

このように、わずか120年間の間に札幌の冬は、寒さ・雪とも変わってきた。どうしてこんな変化が起こったのか?その原因として考えられるのが、気候変動と都市の温暖化である。

気候変動

46億年の歴史を持つ地球は幾度も寒暖の歴史を繰り返してきた。これら地質時代の変動は確かにその規模も大きく、気候変動というにふさわしいが、有史以降にも小変動が繰り返されており、決して一定ではない。気候の平年値を30年の平均値と定義し、西暦年号の10年ごとに再計算するのはそのためだ。

図1の札幌の冬季気温が戦後一段と高いレベルに移っているのは、気候変動の一例で、現在起こっている暖冬傾向も気候変動と考えてよさそうだ。

気候変動の原因には、太陽活動の変化、地軸の傾き、火山爆発などいろいろなものが考えられているが、これといって決定的なものはなく、これらが複雑に重なり合った結果とされている。

最近問題になっている、大気中の二酸化炭素の増加もその一つで、図1に見られた札幌の冬季気温の上昇も、おそらくこの影響を受けていると思われるが、これらは大気循環という仲介者を経て現れるので、その証明はなかなか難しい。しかし、来世紀の気候を考える上でもっとも重要なものである。

(作成)文・資料とも柏原辰吉氏,平成10年

Copyright(C) 1999-2005 Sapporo Information Network Co.,Ltd. All Rights Reserved

札幌総合情報センター株式会社